歌詞の紹介
《萩桔梗》
本調子
〽萩桔梗 中に玉章 忍ばせて合 月を野末に草の露合 君をまつ虫 夜毎に集く 更けゆく鐘に 雁の声 恋はかうした合 ものかいな
### 萩桔梗 萩、桔梗、月、露、虫の音、雁と、秋を象徴する景物を重ねながら、恋しい人を待つ心を描いた曲。「玉章(たまづさ)」は手紙、ことに恋文を意味する古語で、「君をまつ虫」には、松虫と「待つ」とを重ねた掛詞が用いられている。「集く(すだく)」は、虫などが群れ集まって盛んに鳴くこと。夜が更け、鐘が響き、雁の声が聞こえるなか、待つ人の孤独が静かに深まっていく。 また古典和歌では、雁は遠くから便りをもたらす鳥として詠まれ、「玉章」と「雁」とが結び付けられる例もある。こうした古典的な連想を背景に、最後の「恋はかうしたものかいな」という率直な一言が、優雅な秋景色を人間味ある恋のため息へと引き寄せている。