歌詞の紹介

歌詞の紹介

《東山》

《東山》二上り

昭和8年12月7日(仁寿講堂:東京市麹町区内幸町) 半井桃水作詞/二世哥澤芝勢以作曲

〽蒲団着て いつまで寝たか 辛気らし 祇園畷の青柳は 寝乱れ髪(がみ)に 櫛を入れ 化粧(けわひ)をしたじゃないかいな 起きたらどうへ 東山

この歌詞の 「蒲団着て … 起きたらどうへ 東山」 という流れは、昔から京都人が口にしてきた 「東山三十六峰は、蒲団をかけて寝ている人の姿に見える」 という見立てを踏まえた言葉遊び。 江戸前期の俳人・服部嵐雪(現哥澤 所縁の湯島が生まれだそう)が「ふとん着て 寝たる姿や 東山」と詠んだ句が広く知られ、比叡山を頭に、稲荷山を足に見立てて「ふとんを掛けて横たわる人」のように見えるという説が定着しました。 以後、和歌や川柳でも同趣向が繰り返され、「蒲団=山裾の雲や靄」、「寝姿=山並みの稜線」という連想が京都の名物的イメージになっています。