歌詞の紹介

《黄色露濡衣(いわぬいろつゆにぬれぎぬ)/打水》
《打水》本調子
明治5年10月守田座 河竹其水作詞/初代哥澤芝金作曲
〽打水に 残る暑さも 何処へやら 軒の簾に 波打ちて 暮れぬ先から 月影を 宿す 小庭の 行潦(にわたづみ)
〽誰を招くか招くか誰を 尾花の露のばらばらと 風に鳴子の切り戸口
〽帰る燕に来る雁を 待つ夜は 辛き 鐘の声 身にしむ 秋の村雨に 濡るるも恋の 縁のはし
〽いつしか空も吹き晴れて 雲間を洩れる月の顔 ぞっと素肌に風すずし 今は隔ても中垣に 乱るる萩や女郎花 よそ目にいわぬ色見えて
〽思ふ心の 梢まで とどかで葛のうらみがち 明日待たるる朝顔も 恋の蕾が 花なれや
〽忍ぶ(しの )その身(み)に 桐(きり)一葉(ひとは) 落ちて(お )驚(おどろ)く 胸(むね)の波(なみ) 実(じつ)に辛気(しんき)ぢゃないかい( )な