歌詞の紹介

《ひるがほ(昼顔)/恋しらず》
《ひるがほ/恋しらず》二上り
昭和8年6月 西川許一作詞/二世哥澤芝勢以作曲
〽いつの間に 伸びたか 軒の今年竹 なぶるか 風の そよそよと 溢れる露に 濡れながら やっと絡んだ 昼顔の 明るう咲いて 恋しらず
作曲は、初代の娘、二世哥澤芝勢以 この曲は、昭和8年5月に大阪新町演舞場にて発表されました。その同じ月、大阪では、今の御堂筋線が開通し、東京市を凌ぐ日本一の都市、大大阪時代でした。 「いつの間にのびたか軒の今年竹」。これは、気がつかないうちに成長してしまった若竹が、家の軒先に伸びている。日常の中のさりげない変化や時間の経過を感じさせ、自然の中の時間の流れや生命の勢いが詠まれています。 続く、「なぶるか 風のそよそよと」。これは、風が穏やかに吹き抜ける様子。 「こぼれる露にぬれながら」は、朝の露や雨の滴の美しさと静けさを 「やっと絡んだ昼顔の」は、昼顔の花がゆっくりと絡みつく様子を指しており、冒頭の若竹の成長と対比され、より自然の成長や生命の力を感じさせます。 「明るう咲いて恋しらず」。昼顔が、恋を知らずに無邪気に咲き誇る様子を美しく詠んでいます。