歌詞の紹介

歌詞の紹介

《わしが国さ/伊達模様》

《わしが国さ/伊達模様》 二上り

〽わしがサ 国さで 見せたいものは むかしゃ谷風 今伊達模様 床し懐かし 宮城野信夫 うかれまいぞえ 松島ほたる しょんがえ

一説に、吉原で豪遊した伊達綱宗(1640-1711)が、高尾太夫に聞かせるため、お国自慢を唄に作らせたものというが、歌詞の内容から推察するに、仙台地方の田舎唄で、文化文政(1804-29)頃の作だと思われます。

〽わしが国さで見せたいものは、昔や谷風、いま伊達模様。
谷風は、仙台候の抱え力士だった二代谷風梶之助(1750-1795)のことで、谷風は宮城県の生まれにて、十九歳にして江戸に出て相撲取りとなり、寛政三年、わが国初めての横綱力士となりました。

伊達模様とは、江戸初期から元禄期にかけて流行した、大形な華奢な模様で、縫箔、友禅などを利用して作られた。立浪・渦・轡・楓葉などの総模様や裾模様が多く、中でも水車の模様が殊に好まれました。
〽床し懐かし宮城野信夫、浮かれまいぞえ松島ほとり

宮城野信夫は、「碁太平記白石噺」に登場する姉妹の名で、奥州白石の百姓娘宮城野と信夫の二人が、由井正雪で知られる宇治常悦の援けによって父の敵を打つ筋で、七段目の「新吉原揚屋の段」が今日なお上演好評を呼んでいます。